発売当初での検証記事です。
現在は専用ROMも豊富に出ており、GSIの動作も改善していると思われるので、あまり参考にならない
アンロック期間が終わったので、GSIを試してみました。
GSI
Generic System Imageの略で、メーカーや機種に囚われない、汎用的なシステムイメージ(ROM)と考えていい。Android8移行に搭載されているProject Trebleという機能を使っており、その機種向けにビルドしなくても用意されたイメージを焼くだけで簡単にカスタムROM環境にできる。
今回は先週発売されたRedmiNote11無印にArrowOS(Unofficial版)のGSIを焼いてみた。
必要なもの
- ブートローダーアンロック済の本体
日本版 Redmi Note 11 2201117TLです。
- USBケーブル
- ADB Fastboot構築済みのパソコン
Googleから配布されている最新のものを使ってください。 - 初期FastbootROM
Redmi Note 11 (spes) MIUI Downloads | Xiaomi Firmware Updater
元に戻したり、Magisk導入するのに使います。
「Global」の「Fastboot」をダウンロードしてください。
使ったGSI
このリスト内にある、Android12のUnofficialにあるArrowOSを使ってみた。
他にAOSP、ProtonAOSP等試したが今のところArrowOSが一番使いやすいと思われる。
ダウンロード
ArrowOSのDownloadからダウンロード可能。
GSIは様々なアーキテクチャ等の違いに対応するためにバリエーションが多いです。
RedmiNote11無印向けにはarm64-abのものを使いましょう。*1
bgNとbvNがありますが、gはGapps有り、vはバニラ(Gappsなし)です。
vndkliteは/systemの改変が可能なバリエーションのようです。*2
ごろ寝用動画再生マシンにする予定なので、bgNをダウンロードしました。Youtubeアプリ使うので
xz圧縮ファイルでダウンロードされるので、解凍アプリで解凍します。
ROM焼き
音量下+電源同時押しでFastbootモードで起動させます。
FastbootDモードに入る
以下コマンドを実行し、FastbootDモードに入ります。
fastboot reboot fastboot
青色の文字でFASTBOOTDという画面になっていれば成功です
FastbootDモードで無いとROMインストール時Partition not foundというエラーが出ます
vbmeta焼き
vbmeta.imgを用意します。初期FastbootROM内にあります。
fastboot --disable-verity --disable-verification flash vbmeta vbmeta.img
を実行します。これをしないとGSIは起動しません。
データワイプ
※ストレージのデータはすべて消去されます
fastboot -w
ROM焼き
以下コマンドでインストールします。
fastboot flash system ArrowOS-12-arm64_ab-bgN-Unofficial.img
ファイル名は適宜ダウンロードした物に置き換えてください。
(オプション)Magisk
boot.imgをパッチした物を焼いておくとMagisk導入もついでに行えます。
fastboot flash boot パッチしたboot.img
再起動
以下コマンドで再起動します
fastboot reboot
インストール完了
ArrowOSが起動します。
使い勝手
いきなりホーム画面から始まります。Gapps版なので最初からGoogle系アプリが入っています。ArrowおなじみのDuckDuckGoやオープンソースなギャラリーアプリ等あります。
日本語化
セットアップ画面等無いので、言語設定とかスキップされてすべて英語になっています。
日本語化の完了です。
VoLTE化
GSIでは標準でVoLTEに対応しておらず、IMSがどうたら設定してらやっと使えるみたいな状態になっていたが、以下Magiskモジュールで簡単に設定することができた。
volte.zipをインストールするだけです。Povo2.0で通話通信確認できました。
Playプロテクトデバイス申請(初回のみ)
Gapps有りのGSIを導入し、Wifiにつなげるとめちゃめちゃ通知が来て「Playプロテクト認定していません!」と怒られ、PlayストアのログインやChrome等一切使えません。
Googleに申請することで問題なく使えるようになります。1回申請すればROMを変えても使えます。
①DeviceIDアプリをインストール
②起動し、上から2番目のGoogle Service Fremework(GSF)をコピーまたはメモする*3
③DuckDuckGoか別のデバイスから、サイトで申請する。
https://www.google.com/android/uncertified/
Google サービス フレームワーク・・・にコピーしたIDを入れる。10進数に変換しなくても「登録」を押すと下の登録済みのAndroidIDに追加される。
④特に申請が弾かれるというのは無く、1時間程度待っていれば使えるようになる。
カメラ
プリインストールのカメラはいつものAOSPだった。GCam_8.1.101_Wichaya_V1.5.apkをインストールしてみたが、すべてのカメラが使えるようだ。
ただし、HDRを有効化すると3枚目のように緑色になるので無効化しないと使えないです。ID04と書いてあるToFカメラで撮影すると落ちます。
画面ロック
画面ロックは指紋にのみ対応。(そもそもGSIで顔認証使えるものなんかあるのか?)
精度は純正同様で速度も問題なし。
GPS
掴みは悪いですが、一応使えるようです
クイック設定
悪しき「インターネット」ではなく、「Wifi」「モバイルデータ」それぞれ独立したパネルになっています!
「カメラのアクセス」「マイクのアクセス」というパネルでは押すとシステムからそれぞれ無効化することができます。プライバシー重視な感じです
その他設定
ジェスチャー関連の設定ではバーの非表示ができます。
ここからGSIの動作を調整していく設定ができます。Xiaomi Features内のEnable DT2Wは正常に動作しました。(電池持ちが悪くなる可能性がある)
また90Hzの設定もMisc featuresから行います。60Hz、90Hz両方対応です。
ピュアブラック風に?
Android12から導入されたmaterial youという機能でアクセントカラーが画面全体にかかったような感じになってしまいピュアブラック表示にできなくなってしまっているが、ArrowOSでは自分で細かく調整できるようになっているようです。
設定→ディスプレイ→Monet エンジン
カスタムの色→#00000000
輝度スケール→0
にすることでピュアブラックな感じにすることができました。
バグ
- 明るさを下げすぎるとバックライトが完全に切れてしまう(真っ暗になる)
- 電源ボタンの挙動が怪しい(長押しが反応しなかったり)
- すぐメモリ不足になってアプリが落ちる
使った感想
Youtubeやニコニコ動画アプリがまともに動かず使い物にならないという結果になりました。システムUIやすごく軽いアプリなら使えそうですが、とにかくGMSと相性が悪いのか落ちまくりで使えません。
Android12はまだ早かったようで、Android11のGSIは上記バグも無く安定して動作している。
結構いい感じです。RedmiNote11はNFCとか1億画素とかこの機種専用!みたいな機能も無くジェネリックな機種でGSIでも基本的な機能は結構まともに動作していると感じた。Redmi9TはGSIでは指紋がエンターキー割り当て状態で使いづらかったがこの機種はそんなことも無かった。